[MUSASHI] シゴトの定義。
April 29, 2016

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Q. あなたの仕事を、教えてください。

ムサシ「僕は、絵描き。毎日アトリエで作品をつくってる。」

オツウ「私は、美容師。美容院を営んでるわ。」

コジロー「俺ぁ、会計士。正確には監査法人だ。」

マタハチ「寿司ィ、握ってますヘイ。」

Q. 楽しいですか?

ムサシ「楽しいよ! 生活のアップダウンはあるけど、描いてると何もかも忘れられるんだ。こういう実感が生きてる上ですごく大事な時間だと思う。」

オツウ「はいもちろん! 忙しいときもあるけど、同じお客さんが通ってくれたり、髪やりながらお話できたり、ね。」

コジロー「楽しいなんてもんじゃないが、やりがいはあるゼ。人様や会社のお金を管理するのって、例えるならビジネス界の医者、なんてな。カッコイイだろ?」

マタハチ「前からネ、誰かにご馳走すンのが大好きなんスよ。こうして握ってるとネ、お客さんがのぞくんだ。へっへへ、今できやすから、待っててくださいネ~、ってね!」

Q. あなたの仕事で、つらいこととは?

ムサシ「絵描きには2タイプあるんだ。ひとつは自分の作りたいものを作る審美(しんび)タイプ。もうひとつはお客の注文をうけてつくる功利(こうり)タイプ。僕は2つを使い分けてやってる。前者は将来のゴール。これって世間では分かってもらいにくくてさ。毎日毎時間感受性を研ぎ澄まして、アイデアを蓄積して、それをパズルのように組み立てていく。そのうちに表現したかったゴールが埋もれちゃわないように、しっかりとその手綱を握ってなくちゃいけない。僕らは気分で作ってるんじゃなくて、気分によって左右されちゃう、繊細な作業をしなくちゃいけないんだ。後者は生活のため。こちらはこちらで、自分がどこまでお客さんの注文に食い込んでアイデアを提案できるかをやりとりしたりするから、やりがいがあるよ。ここだけの話・・・いろんなお客さんがいてさ、”まともに仕事もしないで絵描いてんだから”って理由で、足元見られたり、上から蔑(さげす)まれたりね。慣れるまではそりゃ腹立ったり、悩んだり、愚痴ったり、まぁ~いろいろあったよ。今ではすっかり慣れて、最終ゴールだけを考えてやるようになったんだ。納品するとき、僕は”ああいい仕事した!”って。それでお客さんが”いい買い物をした!”って思ってくれる。そんなことを思い描いてやるんだ。いいエナジーがかえって来るよね。プロの後味って、いうのかな? あ、なんか偉そうだったね・・へへ(笑)」

オツウ「常連さんがつくまで、それはとても大変でした。今でもそうだけど、ひどいときなんか1日に2人くらいしかお客が入らないときだって、あるのよ。だからもっと自分からお客さんを集めたりもするわ。知り合いにうちのお店勧めたり、知らない人でも「あら素敵な髪!」とか言ってさりげなく口コミしてみたりね。こういうコミュニケーションって、この仕事はほんっと大事。髪はうまく切れても、仏頂面の美容師に切ってもらいたいと思う? 髪の手入れや注文も、人によって要望や、髪や頭皮の健康状態などもあるから大変。忙しい時ほど手が荒くなっちゃうから、そこが一番気のつかいどころね。」

コジロー「そこ聞いてくれてありがとう(苦笑)。とにかく労働時間が長いんだな。うちは残業手当も底ギリラインだし。この仕事は誰でもできるわけじゃなく、キャリアベースのひと握りの人間しかできないんだ。その責任感とストレスとあったらな・・家帰って女房や子供たちの顔見ればホッとはするけど、脳みそや全神経シャットダウン。週末やっと人間として生き返るって感じさ。でもやりがいって、負け惜しみだけで言ってるんじゃない、ホントにあるんだぜ? いろんな顧客も扱うし、そのたびに新しく学ぶことも多い。 やり始めは分からなくても、あとから分かってきて「ああそういうことだったんだ」って。そういう繰り返しでだんだんプロセスの全体が見えてきて、そうするとさらに細かいところまで一つ一つ見えてきて、配慮できるようになる。生活でも効率や工夫って、大切だろう? そういう、生きる知恵になってるんだと思うよ。」

マタハチ「寿司職人っちゃ、修行して一人前になるまで10年はかかるっていいやすが、器用な人間でも5年はかかりやすかね。要は人間10年分くらい、なにか根ツメて努力するってェことじゃないすかね。あたしもだいたい15年は下積みしてたんスが、店の管理諸々、ネタの見方、味のよしあし、ネタの季節の変化や、そのための酢や塩の加減、そういうのをいつも親父にならってここまで来たようなもんでサ。そんな時期が過ぎれば楽なもんだろってよく言われるんスが、そうでもないんスよこれが。うちは代々握ってますから、学生時代はまんま継ぐなんて嫌でしたからねェ。いろんな仕事を転々としながら、気づいたんでさ。そんな中でも寿司屋の息子に生まれたってのは、ありがてぇことなんだって。つらいっちゃ、やっぱりネタの移り変わりをしっかり把握することですかね。1年の中でその時々、同じネタでも”顔”が違うんスよ。あとはじめのうちは寒い季節がきつくてね。冷たい水や湯、酢や塩を触ってるうちに手があかぎれてきやがってね。今になって寿司飯も手につかなくなって、やっと握り手のようなのができてきたんでさ。」

Q. 他の仕事について、どう思いますか?

ムサシ「僕はあまり考えたことないけど、みんなすごいなぁって思う。尊敬するよ。大人になってからは芸術以外の仕事も、自然に興味わいてきてね。僕はずっと絵描きでやっていくつもりだけど、ときどき手伝ったりしているうち、気づいたんだ。ゴールの価値観って芸術以外でも同じなんだって。」

オツウ「前にスーパーとか、清掃員とかやったんだけど、それぞれに使う力が違うし、やりがいもつらいことも、形が違うけど面白かったわ。」

コジロー「正直うらやましいね。うちほど忙しくない仕事とか。でもやっぱりうちには家族もいるし、お金を稼がないとね。稼いだぶんで飲んだり、週末パーっとさ。これが最高なんだ。わかるだろ? よく、自分のため家族のために動いてる自分を、RPGの勇者みたいにイメージするよ。」

マタハチ「たまにふと、面白そうだな~ってぁ思いますね。でも、新鮮な魚選んだり、寿司を美味しく握ること考えるのに比べたら、他なんてかなわねえッスよ。」

Q. あなたにとって、人生において仕事って何ですか?

ムサシ「生きることの意味探し。ずっと絵描きやってきて気づいたんだ。僕らは生きているから仕事をしたいんだなって。山だって、到達点があるから登るわけじゃない。そんな中で、僕は”表現の山”に登ろうって決めたんだよね。それぞれの人が、それぞれの山に価値を感じる。そして登るみたいな。それぞれの歩調でね。登っているうちに自分も成長して、また一歩一歩の価値感が変わってくる。・・・そうだ、次はそんな山の絵を描きに行こうかな。」

オツウ「生活の土台、張り合い。生活の意味でも、価値の意味でもそう思うわ。そして髪を切るのが仕事なんじゃなくて、なにより私のキャラクターとコミュニケーションをつくる営みっていう感じ。」

コジロー「僕はかっこいいこと言えないけど、「途中経過」かな。これからまだまだキャリアアップしていきたいからな。それは俺だけの話だけど、家族みんなにとって仕事は、幸せづくりそのものだな。」

マタハチ「僕もそんなかっこいいもんじゃないスがね、あえて言うなら「失敗」。 失敗してこそ、人生を学ぶステップ。仕事はそのステップアップの機会を見つける場所。なんてね!へっへへ」

– それぞれに全く違う仕事をする人たち。世の中が毎日回っていく中で、
つらいことも、楽しいことも、価値も、それぞれに形は違えど、
みんなそれぞれにうまいバランスで回っている。
だから、仕事には、苦しい仕事も楽な仕事もないようである。

(以上は、自分を含め実際に4種の職業で活躍されている人たちのお話を参考にしました。)

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